はじめに
STEP2ではショアジギングで釣る魚について詳しく説明します。やはり相手を理解するということは重要ですからね。
ショアジギングで釣る魚
ではショアジギングで釣る代表的な魚を見ていきましょう。基本的には中型〜大型の青物です。
- ブリ、ワラサ(関西ではメジロ)
- ヒラマサ
- カンパチ
- カツオ
- シイラ
など
地域やフィールドによっても釣る魚は変わってきますが、様々な魚種が釣れます。食べても美味しい魚が釣れるというのも良いですね。フィールドについて言えば、男女群島や八丈島などの離島に行けばキハダマグロやイソマグロといったもっと大型の魚も時期によっては狙って釣れるようです。また、狙ってないけど釣れる魚まで含めればもっと魚種数は増えるでしょう。
出世魚の呼び名
ブリやカンパチは「出世魚」と呼ばれており、魚のサイズによって呼び名が変わるのでまとめてみましょう。調べる と地方によって他に呼び名がありますが、代表的な呼び名をまとめました。リスト中の表記は、右に行くほど成魚に近づくことを示しています。
ブリ
- 関東 ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ
- 関西 ツバス→ヤズ→ハマチ→メジロ→ブリ
- 北陸 コゾクラ・コズクラ→ハマチ→フクラギ→ガンド→ブリ
カンパチ
- 関東 ショゴ→カンパチ
- 関西 シオ→カンパチ
ヒラマサは呼び名は変わらないようです。「コマサ」や「オオマサ」という表現も聞いたのことがありますが、極めてローカルな呼び名ということでしょうか。
青物の生態
ブリ
棲息
日本周辺海域で図2に示す海域に広く分布します。地球温暖化に伴って徐々に変化している可能性があります。

適水温
- ワカシ・イナダ 20〜29℃
- ワラサ・ブリ 15〜20℃(上限は個人的にはもう少し高いような気がします)
水温14℃以下ではほとんど成長しないと言われています。大型になるほど適水温が低いということですね。確かに夏場はワカシ、イナダが良く釣れます。
回遊
稚魚(モジャコ)は3〜4月に鹿児島の南の海域に出現し、4〜5月には九州西岸から長崎県五島列島近海、日向灘から熊野灘、6月には島根県隠岐諸島周辺海域に多く分布します。幼魚から親魚は夏から秋にかけて北上し、日本沿岸に広く分布する。多くの親魚は夏から秋に北上し、冬から春に南下します。
成長
回遊魚の中では成長が良いとされています。
0歳 43cm/1.06kg、1歳 63/3.83kg、2歳 74.9cm/6.94kg、3歳以上 83.9cm/8.99kg
となります。また、寿命は7歳前後、最大魚は150cm/40kgの記録があるようです。
遊泳速度
およそ時速40km(諸説あります)
捕食行動
基本的には群れで行動し、季節で捕食対象が変わり、春はイワシ類、初夏と冬はサバ類、冬と夏から秋に移る時期にはイカ類も捕食します。地域によっても捕食対象は変化すると思われます。
ブリの色覚
ある研究ではブリは色盲だと言われており、白黒で見ている可能性があります。つまりルアーのカラーは分からず、色の濃淡で判別している可能性があるということです。
ヒラマサ
棲息海域
全世界の温帯から亜熱帯域です。ニュージーランドでも釣れてますね。
適水温
18〜24℃(上限は個人的にはもう少し高いような気がします)
回遊
ブリと同様に北海道を除く日本列島沿岸を春から夏にかけて北上し、夏から秋にかけて南下する季節的な回遊が知られていますが、実態は不明。成魚になると集群性よりむしろ定着性が強くなりますが、カンパチほどでは無いようです。一方でブリの回遊群に混じって広範囲に回遊する群もあるようです。
成長
ブリよりも成長速度が早いとされています。
3歳 83cm、4歳 95cm(研究例)
寿命は12歳前後で、最大魚は250cm/96.8kgの記録があります。
遊泳速度
およそ時速50km
捕食行動
ブリとカンパチの中間で、小規模な群れで回遊し、イワシ類・アジ類・サバ類・イカ類などの他、小型はオキアミ類、大型魚では沖の瀬などに定着する個体もいて、イサキなどの岩礁域に棲む魚類も捕食します。
カンパチ
棲息海域
全世界の温帯から亜熱帯域
適水温
20〜31℃
15℃以下または32℃以上では成長しないと言われています。
回遊
ヒラマサと同様ですが、若齢魚ほど沿岸性が強く、成長に従って定着性と沖合性が強くなって沖の瀬や深場の岩礁帯に付くようになると言われています。水深300mを超える日本沿岸南方の海域では大型が釣れます。
成長
ブリとヒラマサの中間です。寿命は10年前後とされています。最大魚は190cm/80.6kgです。
捕食行動
小規模な群れで行動し、イワシ類・アジ類・サバ類・イカ類などを捕食します。幼魚・未成魚の好奇心は非常に強く、光るものや激しく動くものに興味を示します。一方、成魚になると警戒心が強くなり沖の瀬や深場の根になどに定着し、メジナなどの岩礁に付く魚類や底魚類、大型甲殻類などのの底生動物を捕食します。
青物の形態
青物の形態について説明します。ブリとヒラマサは区別しにくいと言われているので、その点について図2で説明します。
ブリとヒラマサの見分け方
ヒラマサとブリは見た目が良く似ています。釣った時にどちらか迷うこともあると思います。一般的な見分け方についてまとめておきます。見分け方にはいくつもありますが、図2のように代表的に口、胸びれ、尾ひれ三点の見分けるポイントでまとめています。

まとめ
では最後にSTEP2をまとめます。
- ショアジギング対象魚
- 出世魚の呼び名
- 青物の生態
- 青物の形態
ヒラマサ、ブリ、カンパチ、カツオ、シイラなど
ブリは幼魚からワカシ→イナダ→ワラサ→ブリと呼び名を変える
地域によって呼び方が異なる
ブリ
棲息海域:日本の沿岸であればどこでも釣れる。
適水温:15〜20℃
捕食:群れで行動し、イワシ類などを捕食
色覚:白黒
ヒラマサ、カンパチ
棲息海域:世界中の温帯から亜熱帯で釣れる
適水温:18〜24℃(ヒラマサ)、20〜31℃(カンパチ)
捕食:小さい群れで行動するが、大型になると沖の瀬などの根に定着して岩礁に付く魚などを捕食(特にカンパチはその傾向が強い)
形態が似ているブリとヒラマサは口・胸びれ・尾ひれで見分けることが出来る
次は「STEP3-1 ショアから青物を狙え!ゼロからのショアジギングタックルとラインシステム」です。

[…] 5 STEP2 大型青物を狙え!ショアジギングで釣る魚を知ろう […]