STEP3-1 ショアから青物を狙え!ゼロからのショアジギングタックルとラインシステム

はじめに

本記事ではショアジギングに必要となるタックルなどの道具についてまとめています。なおSTEP3は2部構成になっています。STEP3-1ではタックルやラインシステム、STEP3-2ではウェアと釣り小物についてまとめます。本記事はSTEP3-1ということでまとめています。

タックルについて

まずショアジギング用のタックルですが、図1のようなタックルが必要になります。シーバスなどのライトなルアータックルと完全に異なる点は、重いメタルジグと、メタルジグとリーダーの接続にスプリットリングと溶接リングを使う点です。スナップだと強度上充分では無いということです。一つ一つ詳しく見ていきましょう。

図1 ショアジギング タックル一式

ロッドについて

まずはじめにロッドです。最近ではショアから青物を狙うショアジギングの人気も相まって、ショアジギング用のロッドが相当数各メーカーから発売されています。基本はショアジギング専用のロッドが必要になります。シーバスやヒラスズキロッドではロッドの剛性・強度不足となります。

一方、ショアプラッギングとショアジギングを兼用できるオールマイティ(バーサタイル)なロッドも発売されています。ショアプラッギング・ショアジギングを両方ともやりたいというショアアングラーであれば、磯へのロッド持ち運び本数を減らせ、また財布に優しいオールマイティなロッドを購入するというのも選択肢としてはあるでしょう。むしろ最近はその方が人気があり、そういうロッドが増えています。何れにしてもどのようなロッドがあるかはSTEP4の中で詳しく説明します。

ではショアジギングロッドに求められる主な性能を見ていきましょう。

ロッドに求められる性能
  • 青物の強烈な引きを受け止めるバットパワー
  • 長時間しゃくり続けられる軽さ
  • ジグをきちんとアクションさせる適度なティップの硬さ
  • ロッド強度
  • 快適にジギングするためのロッド長さ

以上が主な性能ですが、ロッドを選ぶ際は別のスペックで選ぶことになるので、基本的には気にする必要はありません。ショアジギング用に設計されたロッドであれば問題ないでしょう。ただ「適度なティップの硬さ」については、メタルジグをしゃくる時にティップでジグを強く弾くものと多少ティップで吸収するロッドがあるので、気になる人は店頭で購入する場合にはティップの硬さ(張り)を確認しても良いと思います。この「ティップの硬さ」というのはロッドスペックの数字としてはないので、現物を触り、見る以外に方法はありません。

ここで「ティップ」や「バット」という単語が出てきたので説明します。図2にロッド各部の名称を示します。ロッドは大きく3つのパートに分けることができます。先端部からティップ、ベリー、バットと呼びます。

図2 ロッドの各部名称

ティップは魚がヒットしたときにロッドが一番最初に曲がる部分なので、ティップが硬いと針が魚の口を弾きやすくなり、魚がかかりにくくなります。逆にティップが柔らかいと針にかかりやすくなります。一方、魚が掛かってファイトするときにはバットの剛性を利用します。魚のパワーに対してバット剛性が低いと「魚に竿が負ける」と表現のとおり魚に主導権を握られることになり、長時間のファイトを余儀無くされるでしょう。ベリーはティップとバットをつなぐ部分なのでスムーズに力を伝えることが求められます。もちろん、それだけでティップやバットの剛性が決められている訳ではありません。魚がヒットした時だけでは無く、ジギングやキャスト時のロッドフィール、ロッド強度など様々なファクターを考慮してロッドの剛性バランスが決められます。

ロッド選びのポイント

ロッドを選ぶ際に注目しなければならないスペックとしては、以下の3点です。

  • ロッド長さ
  • 最大適応ルアー(メタルジグ)重量
  • ロッド重量

ロッド長さ
ロッド長さはショアジギングにとっては重要です。ロッド長さが長いと飛距離が伸び、足場が高いとこでは釣り易いなどメリットがある一方で、キャスティングやジギングを長時間続けるにはそれなりの体力が求められます。ロッドを買ったはいいけど、しゃくり続けるのは大変なので結局ほとんどやらなくなった、ということにならないように慎重に選びましょう。ショアジギングともなると長時間しゃくるので、長さが10%程度の差でも体への負担がだいぶ変わってきます。おすすめは平均的な長さの10ftです。体力に自信があれば10ft以上、そうでなければ10ft以下をお勧めします。

最大適応ルアー(メタルジグ)重量
メタルジグの重量は潮流の速さと水深から選びます。ライトショアジギングよりもヘビーなタックルを使うショアジギングでは最大適応ルアー重量が80g以上のロッドを選びましょう。

ロッド重量
ロッド重量を中心に選ぶことはないですが、自分が選んだロッド重量がどれくらいの位置付けかはチェックしておきましょう。

おすすめのロッドスペック
  • ロッド長さ 10ft前後
  • 最大適応ルアー重量 80g以上(釣り場の水深や潮流にもよります)

上記の値はあくまで目安なので、様々な視点(価格別、ルアー適応重量別など)でのおすすめロッドをSTEP4で紹介します。

では、次にリールについてみていきます。

リールについて

リールにはショアジギング用というのは特になく、リールを選ぶ際にチェックすべきスペックとしてはリール番手とギヤ比です。以下のものを目安にリールを選択しましょう。

リール番手は主にリールのどのスペックに関係しているかというと糸巻き量と最大ドラグトルクです。糸巻き量は最低PEライン3号200m以上巻けるものが良いです。それからするとシマノの場合はSW5000番、ダイワの場合はSW4000番以上(SW3500番はギリギリ3号200m巻けるスペックなのでオススメから外しています)になります。

ギア比とはリールハンドルを一回転させた時のスプール回転数です。ある基準のギア比に対してスプール回転数が多い(ギア比が大きい)ものをハイギアと呼びます、逆に回転数が少ない(ギア比が小さい)ものをローギアと呼びます。ハイギアの方がリールハンドル一回あたりの巻き数が多くなります。その分リールを巻き取る力は大きくなる(重くなる)という物理的な関係になります。ショアジギングではしゃくった後に糸フケを巻かなければならないので、ハイギア仕様を通常は使用します。そのためシマノであればXG(ギア比6.2)/HG(ギア比5.7)、ダイワであればH(ギア比5.7)のついたリールを買うのがお勧めです。

おすすめのリールスペック
  • リール番手 シマノ SW5000番 XG/HG、ダイワ SW4000番 H

おすすめのリールについてはSTEP5で紹介します。

ルアーについて

では次にルアーについて見ていきましょう。ショアジギングは名前の通り、ルアーとしてはメタルジグを使用することになります。メタルジグにもバリエーションがあります。重量はもちろんですが、重心位置の違いやスリムなタイプといった形状違いなどバリエーションがあります。メタルジグの種類とおすすめのメタルジグについてはSTEP6で説明します。

図3 メタルジグ

重量

特に潮流が早い場合には重量を慎重に選ぶ必要があります。潮流が早い場合にはジグを着底させることができない場合があるため、その時にはより重量が重いメタルジグを使いましょう。ベイトサイズや水深にもよりますが、60g〜150gを使用します。

カラー

基本はブルーピンクやシルバーといった定番のナチュラル系を使用します。釣れない場合はピンクバックやグリーンバック、パールホワイトなどその他のカラーのローテーションをします。最近は蛍光塗料(ケミホタル)を縞状に塗っているゼブラカラーもあります。

アクション

基本的なアクションとしては、着底させてからワンピッチジャークで巻き上げてくるアクションがベースになります。ただし、メタルジグの種類によっては多少ワンピッチの速度を変更したりします。詳しい誘い方、アクション方法についてはSTEP6で説明します。

おすすめのルアースペック
  • 重量 60g〜150g(水深や潮流によります)
  • カラー 基本はナチュラルカラー
  • アクション 基本はワンピッチジャーク(メタルジグの種類も考慮)

ラインシステムについて

ではラインシステムについて見ていきましょう。まずはメインラインです。

メインライン

ラインはリールを巻く手に魚のあたりやルアーの動きが伝わりやすい感度の高いPEラインを使用します。ただ摩擦やスレに弱いので青物がヒットした後に根に擦られないように気をつける必要があります。ラインの太さは3号以上をおすすめします。

ラインの長さについて説明します。メタルジグは100m以上飛距離が出る場合もあり、また魚が沖でヒットした場合にはラインをさらに出される可能性があります。また、釣行を重ねた場合には、先端の痛んだラインをカットするのも含めるとそのバッファをとっておく必要があるので、最低限としてはPE3号で200mを巻けるリールが必要です。いつ何時大物がかかるとも分かりませんので、万全の準備はしておいたほうが良いという考えです。

図4 PEライン
  • メインラインの種類と号数 PEライン、3号以上
  • メインライン長さ 200m巻き

次にリーダーです。

リーダー

リーダーはソルトルアーフィッシング共通ですが、①根ズレ対策、②キャスティング時の衝撃吸収のために使用します。①についてはすでに書いたようにPEラインは摩擦や擦れに弱いため、魚とのやりとり時の根ズレによるライン切れのために、ジグに近い側のラインを摩擦に強いリーダーに変えて根ズレ対策をします。リーダーをつけたからといって万全では無いので、根ズレさせないロッド操作も併せて必要になります。

②については、PEラインはほとんど伸びないのでリーダーが無い場合には、キャスティング時の衝撃入力が直接ラインに張力としてかかってしまうので、ほぼ間違いなくラインブレイクしてしまいます。一方リーダーは伸びるので衝撃を吸収し、ラインブレイクを回避してくれます。リーダーが切れた場合でも必ずつけておきましょう。(経験者は語るです。。)

リーダーにはフロロカーボン素材とナイロン素材の両方があります。ナイロンはフロロカーボンよりも伸びる特性があり、ショートバイトでもしっかりフッキングしてくれますが、感度は落ちます。一方で、フロロカーボンは伸びがナイロンよりは少ないため、感度も高くまた耐摩耗性があります。ショアジギングでは耐摩耗性のあるフロロカーボンをおすすめします。

太さは50lb(ポンド)以上でメインラインの号数との組み合わせにもよりますが、メインラインが3号の場合には50lbで良いと思います。

また長さですが、リールまで巻くくらい長くしすぎるとキャスト時にノット部がライン抵抗になるので長めにはとりません。とは言っても、長さが短いとリーダーの役割を果たさなくなるので、私はガイドに入るギリギリの長さで1.5mをとっています。

図5 リーダー
  • 素材 フロロカーボン
  • 号数 50lb(ポンド)以上
  • 長さ 1.5m以上

ラインシステムのノットや接続

接続について

メタルジグとリーダーの接続ですが、図のようにスプリットリングと溶接リングを使います。溶接リングにアシストフックとリーダーを結び、スプリットリングにメタルジグを締結します。スプリットリングと溶接リングともにサイズは#5以上を推奨します。

ノットについて

ラインシステムをどのように結ぶかですが、結ぶ箇所としては、メインラインとリーダー間、リーダーとルアー間です。それぞれの間の結び方については以下の結び方をおすすめします。のちのSTEPで詳細を説明します。

  • メインラインーリーダー間ノット FGノット
  • リーダー〜溶接リング間ノット 完全結び

おすすめのラインシステム
  • メインライン PE3号以上/200m以上
  • リーダー フロロカーボン 50lb 長さ1.5m
  • リーダー〜ルアー接続 #5サイズ以上の溶接リング・スプリットリング
  • ノット・接続 メインライン〜リーダー FGノット
    リーダー〜溶接リング 完全結び

以上となります。

まとめ
最後に今回説明した内容を図6にまとめました。

図6 STEP3-1 タックル・ラインシステムまとめ

では次は「STEP3-2 ショアから青物を狙え!ゼロからのショアジギング 必要なもの」になります。

STEP3-1 ショアから青物を狙え!ゼロからのショアジギングタックルとラインシステム

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