はじめに
ショアジギングロッドには、ショアジギング専用に開発されたロッドやショアプラッギングと兼用できるバーサタイルなロッドがあり、各社色々なショアジギングロッドモデルを出しています。その数150モデル以上(ロッド長さ違い含む)になります。特に初心者はこの数あるモデルのうち何が自分に合っているのか分からないと思います。釣り具屋の店員の方に聞いたとしても取り扱っているロッドを中心に説明が始まります。初心者はもちろん中級者以上のアングラーの方にも本当に何が自分にあっているのか知りたい方のために、この記事では全19社、全166本のロッドモデルを調査した結果をもとに、おすすめのショアジギングロッドをピックアップしてご紹介したいと思います。
もちろん私も実際にロッドを全て使った訳ではないですが、今までの経験やロッドスペックや価格をもとにおすすめショアジギングロッドを価格別・フィールド別・初心者向けに分けてセレクトしていますのでご理解ください。
また、自分で選びたい!という方のためにロッド選びのポイントとスペック一覧リストも説明します。最新情報やこのメーカーも追加したいという要望などを頂ければ、可能な限りアップデートしていきたいと思いますので、その際はお手数ですがご連絡お願いします。
今回は長編記事になってしまいましたが、分割するとわかりにくくなるのでまとめてこのページに書いていますのでご了承ください。
メーカー別ショアジギングロッドモデル数
各メーカーからショアジギングロッドが発売されていますが、一体どれくらいのモデル数が発売されているのでしょうか?
ショアジギング専用ロッドだけではなくショアプラッギングとのバーサタイルモデルも含めて調べてみました。なお、バーサタイルモデルはメーカーホームページのロッドモデルの解説をもとに専用設計ではないショアジギングにも使用できそうなロッドになります。対象メーカーは全19社、総モデル数は166モデル(ロッド全長違い含む)になります。適応最大ルアー重量60g以下のロッドはライトショアジギングロッドとして除外しています。図1に各メーカー毎のモデル数をまとめました。カッコ内の数字はショアジギング専用モデル数です。
<対象メーカー>
アピア、エイムス、オリムピック、がまかつ、ゴールデンミーン、シマノ、ダイワ、テイルウォーク、テンリュウ、バレーヒル、メジャークラフト、ヤマガブランクス、リップルフィッシャー、Angler’s Republic、Gcraft、JUMPRIZE、MC works、ZENAQ、ZENITH

トップは合計数28でメジャークラフトです。ブランド毎にショアジギングモデルを出しており、ショアジギング専用モデルも24本と最も多いです。続いてダイワ・ZENAQ、ZENITH、シマノと続きます。ダイワはショアジギング専用ロッドとバーサタイルロッドをほぼ半数の割合で発売している一方で、シマノはどちらかというとバーサタイルロッドを主体に出しているのがわかります。全く異質なのはZENITHで、全てショアジギングロッドと中途半端なものは出していないメーカーですね。
それにしても19社から166本ものショアジギングロッドが発売されており、本当に数が多いですね。最近のショアジギングの人気ぶりが分かるというものです。
メーカー別ショアジギングロッドモデル価格帯
では各メーカーのショアジギングロッドモデルの価格帯を見ていきましょう。縦に各メーカーを並べており、横にロッド価格を示しています。オレンジの線は各ロッドモデルの価格帯を示しています。価格は定価で表示しています。図1と同様にショアジギング専用ロッドだけではなく、ショアプラッギング兼用バーサタイルモデルを含んでいます。

価格データ概要
全ロッドの平均価格や最低・最高価格は以上の通りです。
- 平均価格:40,382円
- 最高価格:80,000円(テンリュウ POWER MASTER Heavy Core 130H)
- 最低価格:12,800円(ダイワ ジグキャスター 87MH)
価格帯
価格帯についてはシマノやダイワ、がまかつといった総合釣り具メーカーは価格帯が広く、ZENAQやZENITH、MC works、ヤマガブランクス、エイムスなどのロッド専門メーカーは価格帯が狭くなっています。
各メーカー別の平均ロッド価格を別に計算していますが、メジャークラフト(21,839円)が最も安く、その次にゴールデンミーン(25,800円)と続きます。最も高いのはエイムス(72,000円)となります。ショアジギング初心者にとって、価格の安いメジャークラフトのロッドは最初の一本としては良いと思います。
市場価格
参考までに市場価格はエイムス・リップルフィッシャー・JUMPRIZE・MC works・ZENAQを除いて、発売時期にもよりますが、定価に対しておよそ10%〜25%程度安くなります。
ショアジギングロッドに求められる特性
では次にショアジギングロッドに主に求められる特性が何かみていきましょう。
- 青物の強烈な引きを受け止めるバットパワー
- 長時間しゃくり続けられる軽さ
- ジグをきちんとアクションさせる適度なティップの硬さ
- ロッド強度
- 快適にジギングするためのロッド長さ
他にも様々な特性があると思いますが、最適なバランスは各メーカー毎に異なっており、それがロッドの持つ特徴にもなります。
リンク先の「ロッドについて」を参照してください
ただユーザーであるアングラーが分かるのは当然ながらメーカーが公表しているスペックのみになります。さらに今回は各メーカーのロッドを横並びで比較するため、各社が公表しているロッドスペックのうち共通のスペックが必要になります。今回は中でも上記「求められる特性」をおおよそ代用できるロッド全長、ロッドウェイト、最大ルアーウェイトの3点に着目して見ていきたいと思います。
ショアジギングロッド選びのポイント
では実際以下の3点の特性から、どのようにロッドを選べば良いかみていきましょう。
- ロッド全長
- ロッドウェイト
- 最大適応ルアーウェイト
1 – ロッド全長
ショアジギングロッドに対して、各社どれくらいのロッド全長のバリエーションを持っているのでしょうか?図3に各メーカー毎のロッド全長のラインナップを示します。対象としているメーカー、モデル数は図1と同様です。縦にメーカーを並べており、横軸はロッド全長になります。図中の赤いプロットがロッド全長ラインナップです。

ロッド全長データ概要
対象ロッドの全長の平均値は丁度10.0ftです。各メーカーは10ftを中心にロッド長さ展開をしているということになります。また、メーカー毎にロッド長さのラインナップのばらつきがありますが、10ftを中心に9.6ft/10.6ftのロッドラインナップがメインになります。
- ロッド全長平均値:10.0ft
- 最短ロッド全長:8.3ft(ZENAQ MUTHOS 83)
- 最長ロッド全長:13.0ft(テンリュウ POWER MASTER Heavy Core)
ロッド長さに関連する項目は主に以下の最初の3項目になりますが、自分の車に収納できるかどうかなど個人的な着目ポイントもあると思います。その点もまとめておきます。また人によっては遠征先への持ち運びも気になる点だと思います。ロッドと配送料の関係も記事にリンクする形式でまとめていますので、参考にしてください。
- 自分の腕力・体力
- ルアー飛距離
- フィールドの足場の高さや波足
- 車への積み込みサイズ
- ロッド長さと配送料の関係
自分の腕力・体力
初心者であれば、ロッド長さがを選ぶに際して最も気にしなければならないのが自分の腕力や体力です。仮にロッド全長がせいぜい10%位しか変わらないとしても、ショアジギングを何時間もやり続ければ、10%以上の差を感じると思います。余程のエキスパートでなければ、ショアジギングは疲労との戦いというのを認識しておいてもらえればと思います。
ルアー飛距離
ロッド硬さが同じ場合には、ロッド長さが長いとその分ルアーにかかる遠心力が大きくなり、ロッドが曲がりやすくなり、ロッドの反発力を生かすことができ、ジグの飛距離を伸ばすことができます。もちろんそれを受け止めるアングラー自身の力も必要になります。
フィールドの状況(足場の高さ、根の位置、波足など)
各フィールドの状況によってロッド長さに影響します。具体的には足場が低く手前から急深な場所であれば、ロッドが長くなくてもルアーを手前まで引いてこれます。また魚がヒットし、手前まで持ってきた時でも、ラインの角度を保てるのでやりとりしやすいです。一方で、足場が高かったり、波足が長かったり、手前にハエ根がある場合にはロッドが長い方がやりとりしやすくなります。
車への積み込みサイズ
ショアジギング釣行をする場合にはロッドもしくはロッドケースをほとんどのケースで車で運ぶと思います。ただいざ入れてみると入らない。。。なんてことはないでしょうか?特にセダンでスルートランクが無いのが最もサイズとしては厳しいはずです。後席シートが倒れる車でも2.0mのロッドケースは入るでしょうか?主要なロッドケースに対して自分の車の室内空間のサイズがフィットするかどうかも確認が必要です。
参考① ロッドケース長さ(ダイワ以外は内寸)
シマノ ロッドケースSTRAIGHT 155/185/215cm
ダイワ ライトロッドケース 155/190/220cm(外寸)
カルティバ 撃投ロッドプロテクター 185cm
参考② 車の室内全長
軽自動車
ダイハツ タント 220cm
ダイハツ ミライース 200cm
スズキ ワゴンR 245cm
コンパクトカー
日産 ノート 206.5cm
ホンダ フィット 193.5cm
SUV
日産 エクストレイル(2列)200.5cm
セダン
トヨタ クラウン 197.5cm
トヨタ カムリ 203cm(トランクスルー機構あり)
ロッド長さと配送料の関係
ロッドを遠征先や帰省先に送ることもあるかと思いますが、宅配で送る場合の送料を別記事でまとめています。
- 初心者
ショアジギングを長く続けるためにも、体力的な点で操作しやすい10ft未満のロッドを選ぶことをおすすめします。これでジグのアクションのさせ方などを覚えてから自分にあった長さに変えていけば良いと思います。 - 中級者以上
体力的な点はクリアしているという前提であれば、10ftを基準にフィールドの状況で長くするかどうか決める方が良いでしょう。 - その他
基本は離島などへ遠征という大物狙いのアングラーの方は3継ロッドをおすすめします。
2 – ロッドウェイト
ロッドウェイトは軽いに越したことはありません。ロッドはどれくらいの重さなのでしょうか?表1にロッドウェイト含めたロッドスペックリストをまとめているので、確認してみてください。ただし、MC worksとメジャークラフトのみメーカーのホームページにロッドウェイトの記載がなかったのでデータはありません。(何故なんでしょう?)
ロッドウェイトデータ概要
- 平均ロッドウェイト:331g
- 最大ロッドウェイト:544g(テンリュウ POWER MASTER Heavy Core 130H)
- 最小ロッドウェイト:195g(がまかつ LUXXE スピードショットTS 110H)
- 選んだロッドがロッドウェイト相場から外れていなければ特に気にする必要はないでしょう。もちろん軽い方がベターです。
私の分析(ちょっとした計算をしています)ではテンリュウとテイルウォークのロッドが相場に対してロッドウェイトが重いと考えます。
3 – 最大適応ルアーウェイト
ショアジギングで使うメタルジグウェイトですが、フィールドによって使い分ける必要があります。つまり各フィールドの水深や潮流の強さに合わせてメタルジグウェイトを決めなければなりません。詳しくはSTEP6のメタルジグの章で説明しますが、経験上フィールドに応じて目安として以下のようなメタルジグウェイトを使用します。もちろん水深が浅くても潮流が速いフィールドもあるので一概には言えませんが、参考にしてみてください。
- 水深10m未満 サーフ・港湾・地磯 40g〜80g
- 水深20m未満 サーフ・港湾・地磯・沖磯 60g〜100g
- 水深30m未満 地磯・沖磯 80g〜150g
- 水深30m以上 潮流が非常に速い離島・沖磯 150g以上
自分のフィールドはどのような水深や潮流かを確認しましょう。分からなければ近くの釣具店や沖磯であれば渡船業者に確認しましょう。
みんなの海図
では上記のメタルジグウェイトを参考にして、図4に各メーカー別の最大適応ルアーウェイトをまとめました。
オレンジ色の線が各メーカーのロッドが対応するルアーウェイト帯です。

最大適応ルアーウェイトデータ概要
最大適応ルアーウェイトの最大のものは250gになります。最大適応ルアーウェイトが重いということはそれだけロッドが硬いと言い換えることができます。
- 最大適応ルアーウェイトの最大:250g(ZENAQ MUTHOS 100/110HHH-GT)
図4からはZENAQ、ZENITH、MC works、テイルウォークのショアジギングロッドが150g以上のメタルジグにも対応しており、潮流が早い離島でも適応できるロッドがあるということがわかります。JUMPRIZE、Gcraftを除けば多くのロッドメーカーのロッドの一部は水深30m未満の磯でのショアジギングにも対応できるということになります。JUMPRIZEのロッドはプラッギングにも使用できるので、ダイビングペンシルであればもちろん沖磯でも使用可能です。また、フィールド別のメタルジグウェイトについては、この値の中でないと使用できないという明確な基準ではないので、目安と思っていただければ良いと思います。
- 自分のフィールドから最低限どのメタルジグウェイトが必要か確認して、それに当てはまるロッドを選びましょう。ゼナックのロッドは他のメーカーのロッドに対して最大適応ルアーウェイトが重くなっています。私もMuthos Acurra(最大適応ルアーウェイト200g)をショアプラッギングにも使用していますが、それほど硬いロッドということではないので、その点は割り引いて考えても良いでしょう。
おすすめショアジギングロッド
では最後に私がおすすめするショアジギングロッドを価格別・フィールド別、初心者向けにまとめます。
おすすめの基準は価格別は定価別にまとめて10ft前後のロッドを中心にしています。フィールド別のおすすめは最大適応ルアーウェイト毎に選別して、ロッド全長は10ftのものを使用しています。初心者向けについては定価が安く、手に入れやすい大手メーカーのロッドを中心にチョイスしています。「自分で選びたい!」という方は表1(本記事の最後)のショアジギングロッドスペック一覧表と上記「選び方のポイント」を参考にして頂ければと思います。
価格別
価格については、一部メーカーの市場価格は定価より安くなるので、値引き可能なメーカーは20%〜25%程度割り引いて考えています。
4万円以下
4万円以上
- ZENAQ MUTHOS Acurra 100H (for versatile)
- ヤマガブランクス Blue Sniper 100MH (for versatile)
- MC works RAGING BULL 100XR-1
- バレーヒル SHOREMASA 98X
フィールド別
フィールド別おすすめロッドは以下の通りです。
水深10m未満 サーフ・港湾・磯
水深20m未満 サーフ・港湾・磯
水深30m未満 地磯・沖磯
水深30m以上 潮流が非常に早い沖磯・離島
初心者向け
初心者向けおすすめロッドは以下の通りです。
初心者向けロッド
バーサタイル用のロッドはロッド名の後に”for versatile”と記載しています。
まとめ
では最後にこれまでの内容をまとめます。
- メーカー別ショアジギングロッドモデル数
モデル数はメジャークラフト、ダイワ、ZENAQの順に多い - メーカー別ショアジギングロッドモデル価格帯
平均価格は約4万円、定価で12800円〜80000円のレンジ - ショアジギングロッドに求められる特性
ロッド全長、ロッドウェイト、最大適応ルアーウェイトの3つのロッドスペックで求められる特性をおおよそ代用できる - ショアジギングロッドの選びのポイント
ロッド全長 10ftを中心にフィールドに合わせて選ぶ、初心者は体力で長さを選ぶ(推奨)
ロッドウェイト 軽いものが良いが、ロッドウェイト相場から外れていないかをチェック
最大適応ルアーウェイト フィールドにあったメタルジグ重量に対応できるロッドを選ぶ - おすすめショアジギングロッド
価格別、フィールド別、初心者向けおすすめロッドを紹介
参考 ショアジギングロッドスペック一覧
今回調べたショアジギングロッド166本のスペックが分かる表を表1に示します。(2017年12月9日時点の情報)よろしければロッドを選ぶ際や購入の際の参考としてください。赤色のセルはショアジギング専用に開発されたロッドを示しています。





以上でSTEP4は終了です。
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