飛びキング105HS 圧倒的な飛距離を誇る理由〜空気抵抗・まとめ編

はじめに

飛びキング105HSの魅力は何といってもその圧倒的な飛距離です。なぜそんなに飛距離が出るのかデータで見てみることにしました。前回は飛距離に関わる飛行姿勢の安定性について説明しましたが、今回は空気抵抗やルアーの重量について飛びキング105HS、かっ飛び棒130BR、ぶっ飛び君95Sと比較しながら、飛びキングが圧倒的な飛距離を出せる理由をまとめました。

ルアーの飛距離について

飛距離の出るルアーのポイントは、主に以下の3つポイントです。

  • 空気抵抗が小さいこと
  • 飛行姿勢が安定していること
  • ルアーが適度に重いこと

2点目の「飛行姿勢」についてはすでに前の記事で説明しているので、1点目の空気抵抗と3点目のルアー重量について説明します。

空気抵抗について

空気抵抗を小さくするためにはルアーの投影面積が小さい必要があります。投影面積とはその名の通りルアーの真正面(後方でも良い)から光をあてた時に背後にある壁に投影された影の部分の面積です。この面積が小さいほど空気抵抗が小さくなり飛距離が出ます。メタルジグがプラスチック製ルアーに比べて断然飛距離が出るというのも投影面積が小さく、空気抵抗が小さいことによります。

飛びキング105HSの投影面積

ではジャンプライズ飛びキング105HSの投影面積をぶっ飛び君95S、かっ飛び棒130BRと比較しましょう。投影面積はカメラなどを用いて計測した手法で厳密では無いですが、おおよその傾向は捉えられていると考えています。図1にそれぞれのルアーの投影面を並べています。また、飛びキング105HSの投影面積を1.0とした場合のぶっ飛び君、かっ飛び棒の投影面積を計算した結果を載せています。

図1 ルアー投影面積比較

図1からも分かるように飛びキングの投影面積が最も小さくなっています。飛びキング105HSに対してぶっ飛び君95Sは約1.1倍、かっ飛び棒130BRは約1.4倍大きくなってます。逆にいうとかっ飛び棒130BRに対して28%、ぶっ飛び君に対して11%小さいという結果です。

飛距離には関係ないですが、投影面積の形状を見ていきましょう。飛びキングは円形に近く、かっ飛び棒はだ円、ぶっ飛び君は下面がフラットに近い形状になっています。ぶっ飛び君は特に下面をフラットにすることで他の二つに対してフォール速度が低下しやすくなると考えられます。一方、飛びキングは下面が平らではないため、流れの強い状況では形状という点でぶっ飛び君95Sより早く沈むようになると思います。(もちろん重量の違いを考慮すれば、飛びキングの方がだいぶフォール速度は早くなります)

投影面積という点では飛びキング105HSが最も小さく、飛距離が出やすい構造になっています。

ルアーが適度に重いこと

ルアー重量という点では飛びキング105HSは44gと105mmサイズのルアーにしてはトップレベルの重さです。また、かっ飛び棒130BRの38g、ぶっ飛び君95Sの27gに比べても重く、飛距離が出ることになります。通常ルアーが重くなれば、アングラーはそれに見合った硬さのロッドを使うことになり、より硬いロッドの反発力を活かすことができるため、軽いルアーよりも飛距離を出すことができます。逆に言えばロッドの硬さが充分でないといくら重いルアーを使っても飛距離は延ばすことができません。飛距離を出すためには、ロッドの硬さに見合った適度なルアー重量である必要があります。

まとめ

前回の重心位置も含めたまとめになります。

まとめ

飛びキング105HSは以下の理由により、空気抵抗が小さく、飛行姿勢が安定し、ロッドの高い反発力を活かすことができるため、圧倒的な飛距離を出せると考えられます。

  • 空気抵抗が小さい
    投影面積が小さい
    (かっ飛び棒130BRに対して28%、ぶっ飛び君95Sに対して11%小さい)
  • 飛行姿勢の安定
    重心位置が後方にある
    (かっ飛び棒130BRやぶっ飛び君95Sに対して重心位置が10%程度後方にある)
  • ルアーが適度に重い
    105mmサイズでトップレベルの重さ
    (かっ飛び棒130BR 38g、ぶっ飛び君95S 27gよりも重い)

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