はじめに
今回はショアジギング用のおすすめメタルジグの紹介になります。その紹介の前にメタルジグの種類とそれぞれの動きの違いや飛距離について説明します。
ところでショアジギングでターゲットとなる中・大型青物に対してメタルジグは釣り易いルアーでしょうか?
プラグやペンシルに対してメタルジグが最も釣りにくいルアーではないかと思います。何故か?その理由とそれでも釣るためにはどうすれば良いかについても、メタルジグのアクションの観点から説明します。
メタルジグの種類
ショアジギング用のメタルジグには種類がいくつかありますが、大きくは重心位置、形状で分類できます。それぞれの特徴について見ていきましょう。
重心位置
メタルジグの重心位置はメタルジグのアクションに大きく影響するファクターです。ショアジギング用のメタルジグの重心位置はメタルジグの前方・中央・後方にあるもので分類できます。それぞれ「フロントウェイトバランス」・「センターウェイトバランス」・「リアウェイトバランス」という呼び方になります。
図1はそれぞれオーナー社から発売されている撃投ジグになりますが、上からフロントウェイトバランス、センターウェイトバランス、リアウェイトバランスのジグとなります。当然ながら重心位置が後ろにある方がジグ後方がふっくらした形状になります。そのため、店頭でもルアーの解説を読まなくてもリアバランスかどうかはおおよそわかると思います。


では、重心位置の違いがジグの動きや飛距離にどのように影響するか見ていきましょう。
重心位置によるジグの動きの違い
ここでいう「ジグの動き」とは、ジグをしゃくった後のラインテンション(張力)がかかっていないときのフォールの動きを指します。フォールの場合には通常重心位置を下にして落ちていきます。ではそれぞれのタイプがどのようにして動くのか解説していきます。
- フロントウェイトバランス
基本的にはフロント側から落ちて行きますが、通常はリアウェイトバランスのジグほど重心位置が偏って作られないのと若干ながらラインの浮力の影響もあるので、ストンとフロントから落ちる動きはせず水平に対してややフロント側に傾いてフォールします。フォールスピードはセンターウェイトバランスとリアウェイトバランスジグの中間くらいです。ジグによってはフォール時にはスライド気味にフォールする動きになります。
フロントウェイトジグ:撃投ジグ ストライク、シャウト ステイなど

- センターウェイトバランス
センターウェイトバランスなのでメタルジグが水平に近い状態でフォールしたり、スノーボードの横滑りのようにスライドしながらフォールします。また形状自体が左右非対称に作られている場合には、重心が偏っている側を下にしてロールしながら落ちるように設計されているものもあります。まさに弱った魚に近い動きです。最近は主流になりつつあるタイプです。
センターウェイトジグ:撃投ジグ レベル、メジャークラフト ジグパラ、ダイワTGベイトなど

- リアウェイトバランス
フォール時にはジグ後方から落ちていきます。リアウェイトのものは飛距離が出るというメリットもあり比較的重心位置をリア側に寄せたものが多いです。ただしフォールスピードが早いため比較的早めのワンピッチジャークをしないと見切られる確率が高くなります。早く落ちていく弱った魚はいないですよね。もちろん形状によっては単調にフォールしないリアウェイトジグもあるのでルアーの解説なども参考にしたほうが良いですね。(サバは早いフォールを好む場合がありますが、今回の対象魚種ではありませんね)
リアウェイトジグ:撃投ジグ エアロ、コルトスナイパー TG PITBULL

リアウェイトジグしか出せないアクションを利用する番外編的な使い方もあります。
重心位置による飛距離の違い
ルアーはキャスティング後にはルアーの後方が先頭になって飛んでいきます。そのため、ルアー後方側に重心位置があったほうが空力的に安定します。つまり、飛行姿勢が安定するため飛距離が伸びます。そのため飛距離が出る順番は次のようになります。
リアウェイトジグ > センターウェイトバランス > フロントウェイトバランス
ジグの動きという点では一番釣りにくいながらも、飛距離が出るのがリアウェイトジグの特徴です。ただし、風が強く飛距離が出ない場合、潮流が早すぎて底を取りにくい場合には重宝するジグになります。そのため、ウェイトバランス違いの三種類のジグを常に持っておくことをおすすめします。
形状
次に形状ですが、形状は大きく4つあります。フラット以外はショアジギングで使用しますが、スリム・ノーマル・小型形状のジグで何が一番良いなどは無く、その時々のベイトのシルエットに近い方をセレクトする方が良いでしょう。ただし、ヒラマサに関してはスリムなジグにアタックしてくることも多いので、釣行の中でジグの形状をガラッと変えてみるのも良いでしょう。
- スリム形状
スリムで細長いシルエットです。空気抵抗は小さいですがその長さゆえに横風の影響を受けやすく飛行姿勢の安定はいま一つです。ただし、経験的にはヒラマサに有効なケースもあるので、ショアジギングには必要なジグと考えています。
- 小型(タングステン)
鉛に対して比重の大きいタングステンを使用しているため同一重量の鉛のジグに比べて小型にできます。空気抵抗も小さく他の形状に比べて最も飛距離が出やすくなります。
- ノーマル
一般的なタイプのジグです。ノーマルにも裏表非対称な形状などがありバリエーションに富んでいます。
- フラット形状
フラット形状をしたジグは特に根魚をターゲットにしたスロージギングで使用されるジグのため今回の青物のショアジギングでは使用しません。
メタルジグの動かし方
メタルジグを如何に魚のように見せるか?というのが最大のポイントですが、ミノーやダイビングペンシルに比べて大抵のメタルジグは魚のシルエットとは異なります。また、ただ巻きをしてもジグが回転したり不自然なお尻を振る動きをしたりとどう見ても魚には見えない時もあります。そのため、ミノーやダイビングペンシルやシンキングペンシルに対してはジグの知識や経験がないと釣るのが難しいと思います。またライトショアジギングと異なりターゲットとなる青物は中型以上でそれなりの知能も備えており、不自然な動きをするジグには食ってきません。ではどのようにして魚のように見せるのか?
唯一他のルアーでは出来ない動きをメタルジグで見せることができます。そうです。上下の動きです。弱った小魚が水中に沈んで行くように見せれば良いのです。活きのいい魚ではなく、弱った魚です。
ジグの動かし方としては魚にアピールするためのアクションとメタルジグを食わせるためのアクションがあります。食わせのタイミングを作る際にはジグは跳ねすぎないようにしゃくり、一瞬慣性力による惰性の動きの後、フォール(もしくはスライド)することで弱々しい魚の動きを再現できるため、そのタイミングで食わせます。ただしそのタイミングに持っていく前の段階で早めのワンピッチジャークなど早いアクションで魚にアピールして興味を持たせるのも良いと思います。
更に時折これまでのジグのアクションパターンから変えるといった変則的な動きをさせるとリアクションで食ったりします。ただし、ジグのパターンを変え過ぎるのも良くありません。魚はジグの動きをよく見ており、メタルジグに興味がある場合にはそれなりの距離を追っている可能性もあるので、頻繁にアクションパターンを変えてしまうと違和感を覚えて食わないケースもあると考えています。(活性が高い場合にはそうでないかもしれませんが。)水深が20m程度あれば目安として3回程度のアクションパターンに留めることをおすすめします。
次に水面から飛び出す直前になるまで諦めずにしゃくり続けるということです。ベイトを追いかける青物にとっては水面は壁です。つまりベイトがそれ以上逃げられないのが水面になります。水面近くというのは青物にとっても警戒するゾーンですが、やはりベイトを追い詰めることができる、絶好の捕食ゾーンでもあるため、最後の最後まで気を抜かずアクションをし続けないといけません。自分も水面近くでヒットしたことは何度も経験があります。
最後になりますが、ただ巻きが釣れない訳ではありません。ある条件下では実際に釣れたのを見たことがあります。撃投DVDの中で橋本氏が撃投ジグのただ巻き+弱めのトゥイッチでワラサを釣っているのを見たことがあります。ただしマズメの暗い時間帯で光量が殆ど無い時間でした。暗いうちは青物も早いアクションには反応しないため、ちょうどただ巻きくらいのアクションがいいのかもしれません。
より詳しくは別のSTEPで説明したいと思います。
撃投ジグの操作について
重要なのでメタルジグの動かし方のポイントは以下のようになります。
- 食わせのアクションと見せるアクションがある
- 見せるアクションは早めのワンピッチジャークなど早いアクションをすること
- 食わせのタイミングではジグは跳ねすぎない程度にしゃくること(食いが渋い時は特に当てはまる)
- しゃくりよりもしゃくった後の一瞬の慣性的な動きやフォールの間の取り方に神経を集中すること
- 時折変則的な動きを加えること。(1回のキャストの中で頻繁に動きを変えるのはNG)
- 水面ギリギリまで気を抜かずにしゃくり続けること
- ただ巻きでも条件次第では釣れることもあること
おすすめメタルジグ
メタルジグは非常に多くの商品が世の中に出ていますが、その中でも特にショアジギング用には向いているおすすめのメタルジグを5つ紹介したいと思います。
撃投ジグ レベル
- ウェイトバランス:センターウェイトバランス
- 形状:ノーマル
- 特徴
ローリングしながらの水平フォールが弱った魚そのもの。ためのあるしゃくりパターンのコツを掴めればそれなりの数の魚を釣ることができるでしょう。
撃投ジグ
- ウェイトバランス:リアウェイトバランス
- 形状:ノーマル
- 特徴
発売されてから年月が経ちますが、仕様変更もしておらず、まさにショアジギング用ジグのお手本となるジグでしょう。使いこなせればショアジギングが面白くなります。私も釣行時には必ず一つは持っていきます。
ダイワ TGベイト
- ウェイトバランス:センターウェイトバランス
- 形状:小型
- 特徴
タングステンを使用しているだけに値段は少々高いですが、圧倒的な飛距離を誇ります。ベイトが小さい時は役に立つでしょう。潮が早くボトムを取りずらい時にも有効です。
ゼスタ アフターバーナー
- ウェイトバランス:センターウェイトバランス
- 形状:ノーマル
- 特徴
ショアジギング用に開発されたメタルジグだけあって、飛距離も申し分なく、ワンピッチジャークやその他の様々なジャークパターンに対応するオールマイティなジグです。独特なカラー含めたカラーバリエーションが多く何を買うかを迷います(笑)
CBマサムネ
- ウェイトバランス:センターウェイトバランス
- 形状:スリム
- 特徴
おすすめのメタルジグの中で唯一ショアジギング用のメタルジグではないですが全長が185mmもある独特のスリムフォルムを持ったメタルジグです。オフショアのスロージギング用に開発されたジグのため、しゃくるパターンは比較的ゆっくりであり、ジャーク後のフォールの間がポイントです。飛距離はあまり期待できないですが、ヒラマサがこのジグにしかヒットしないパターンもあるようです。
まとめ
最後に本記事のまとめです。
- メタルジグの種類
重心位置と形状で分類できます。
重心位置:フロント、センター、リアウェイトバランス
形状:スリム、小型、ノーマル、フラット形状 - メタルジグの動かし方
- 食わせのアクションと見せるアクションがある
- 見せるアクションは早めのワンピッチジャークなど早いアクションをすること
- 食わせのタイミングではジグは跳ねすぎない程度にしゃくること(食いが渋い時は特に当てはまる)
- しゃくりよりもしゃくった後の一瞬の慣性的な動きやフォールの間の取り方に神経を集中すること
- 時折変則的な動きを加えること。(1回のキャストの中で頻繁に動きを変えるのはNG)
- 水面ギリギリまで気を抜かずにしゃくり続けること
- ただ巻きでも条件次第では釣れることもあること
- おすすめメタルジグ
ショアジギング用に5つのメタルジグをおすすめしました
STEP6は以上になります。
次は「STEP7 おすすめショアジギング リーダー・ライン」です。
[…] STEP6 おすすめショアジギング向けメタルジグ | Wild Blue X 2017年12月23日 […]
[…] STEP6 おすすめショアジギング向けメタルジグ […]
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