はじめに
この記事では、ショアジギングでの釣りにおいてメタルジグを100m以上飛ばすための3つの方法についてまとめています。特にペンデュラムキャストでメタルジグを100m以上飛ばすための投げ方を中心にまとめていますが、ミノーなどのルアーを遠投するにはどうしたらいいのか困っている方にも参考になると思います。
またリールはスピニングリールを対象としています。
ショア(陸っぱり)からの釣りはオフショアの船釣りのように魚が群れている場所に連れて行ってもらうわけではなく、自分が行動できる範囲でかつ、ルアーの届く範囲でしか魚をかけることができません。そのためルアーの飛距離というのは特に重要なファクターになります。つまり、いかにルアーを遠くに投げて、自分の釣る範囲を広げて魚が釣れる確率を上げるかがポイントになります。一方でルアーフィッシングの初心者や中級者でもまだキャスト方法について自信がない方もいると思いますので、なるべくわかりやすくまとめたいと思います。
本記事の内容についてはあくまで個人的な意見であるため、筋力や体型の個人差などから、当てはまらないこともあるかもしれないということをご理解ください。
タックルについて
まず飛距離を出すにあたってはタックルの基本をきちんと理解しておかなければなりません。タックルに関しては、これまでのSTEPで記事にしていますがそれぞれ簡単にまとめておきます。詳しくはリンク先の各記事を参照してください。
ショアジギングロッドについて
ショアジギングロッドの選び方のポイントはロッド長さと適応ルアーウェイトです。具体的にはショアジギングロッド(ライトショアジギングではない)の特徴としては、およそ60g以上のジグをキャスティング出来るようにシーバスロッドよりも硬く、長さは10フィート前後のものが主体となります。ロッドを長くすればするほど飛距離は出やすくなりますが、体力的にはシビアになります。自分の体力や筋力にあったものを選びましょう。またロッド硬さは、自分の通うフィールドで使用するジグの重さにあったロッドを使いましょう。
詳しくは以下の記事にまとめています。
リールについて
リールを選ぶポイントとしては、リール番手、PEライン糸巻き量、ギヤ比、リール重量です。リール重量については当然軽い方が体力的に楽になり、ロッドの振り抜き速度を上げるという点では飛距離にも若干は有利になります。ラインの号数については、ショアジギングではPEライン3号が最低300m以上巻けるものにしましょう。
詳しくは以下の記事にまとめています。
メタルジグについて
メタルジグの重さは潮流や対象魚、水深にあったものを選ぶのが基本です。メタルジグにも重心位置(フロント、センター、リアバランス)違いで種類がありますが、飛距離を重視するのであれば後方重心(リアバランス)のジグが飛距離が最もでます。もちろんメタルジグのアクションはそれぞれ特徴があります。またジグの材料では高比重なほどジグのシルエットが小さくなるため、飛行時の空気抵抗が小さくなり、飛距離が出ます。比重が高い材料としては多少高価ですが、タングステンがあります。(鉛の比重:約11.4、タングステン:約19.3)
詳しくは以下の記事にまとめています。
ラインシステムについて
ラインシステムについてですが、まずはメインラインはPEラインを使用しましょう。ライン号数(ライン径)は小さいほど飛距離を伸ばすには良いですが、ワラサ(メジロ)などの中型の青物を狙う場合には3号以上を準備しましょう。カンパチやヒラマサなどヒットしたときに根に突っ込む習性のある青物をターゲットにする場合はそれ以上の号数を推奨します。
また、メインラインとリーダーの結束はFGノットであれば十分です。ラインシステムにおいて結束部分が最も強度が低いため、キャスト時にすっぽ抜けないようにしっかり結束させましょう。
メタルジグとリーダー間にはスプリットリングと溶接リングを介してリーダーと結束してください。結束方法は様々な方法がありますが、私は完全結びを使っています。
詳しくは以下の記事でまとめています。
その他装備について
飛距離を出す際に特に必要な装備は、ジギンググローブです。キャスティング時にルアーをリリースするまでは、人差し指でラインを引っ掛けますが、メタルジグは、キャスティングモーション時には人差し指にそれなりの負荷がかかるため、ライン荷重から指を保護する必要があります。そのためにジギンググローブは必ず準備しましょう。また、ジギンググローブは基本消耗品なのでコストパフォーマンスが良いものをお勧めします。
キャスティング方法
では本題のキャスティング方法について解説します。キャスティングにおいてメタルジグ(どのルアーも共通です)の飛距離を出すポイントは三つです。
- ロッドを曲げる(ロッドの弾性エネルギーを利用するor発生させる)
- 体全体を使って投げる(遠心力を利用する)
- ラインを的確なタイミングでリリースする(ロッドの弾性エネルギーを上手く運動エネルギーに変換する)
キャスティング方法ですが、メタルジグはミノーやシンキングペンシルなどのプラスチック製ルアーに比べて重いため、ロッドに急激な負荷が入力されないようにペンデュラムキャストが推奨します。本記事ではペンデュラムキャストを前提にしています。
「ロッドを曲げる(ロッドの弾性エネルギーを発生させる)」
飛距離を伸ばすためには決して力任せに投げるのではなく、キャスティング時にロッドを曲げて、その時の弾性エネルギーを上手く使うことです。ではどうすれば効果的にロッドを曲げられるのでしょうか?ロッドを上手に曲げるポイントは3つあります。
- ロッドにあった重さのメタルジグを使用する
- バッドに張りがあるものにする
- ルアーの垂らしを長くする(目安は第一ガイドより若干上)
- キャスティング時にルアーに遠心力をうまく与える
ロッドにあったメタルジグを使用する
ロッドには適応ルアー重量が決まっています。その適応重量の上限付近のメタルジグを使うと飛距離が出やすくなります。「出やすい」ということで、誰でも出るわけではなく、やはり体力・筋力とのバランスになるため、自分の体力にあったメタルジグを利用してください。
バッドに張りがあるものにする
キャスティング時にはロッドの中で最も剛性が高いバットも曲がります。このバットの部分がしっかり踏ん張らなければなりません。私はゼナックのミュートスアキュラ100Hを使っていますが、青物用Hクラスのロッドであれば十分なバットの張りを持っていると言えるでしょう。
ルアーの垂らしを長くする(目安は第一ガイド付近)
詳しくは理論編に今後まとめていきたいと思いますが、ルアーの垂らしを長くする理由は、理想的なキャスト角度と最大速度が出るリリースポイントが一致させることができるというのが私の見解です。垂らしの目安として第一ガイド付近が良いと思いますが、最適長さについては自分のキャスト方法(ペンデュラムキャストでも人によって若干異なる)に見合った垂らしの長さにしてください。メタルジグの場合は、私は第一ガイドの少し上のあたりが最適ポイントです。ダイビングペンシルやミノーなどメタルジグよりも軽いルアーを同じロッドで投げる場合は、垂らしをより短くする方が飛距離がでます。メタルジグ使用時よりもキャスティング時のロッドの曲がりが少なくなるため、キャスト角度を適正にするためには短くなければならないからてますが、この辺りも理論編でまとめたいと思います。
いずれにしても単純に垂らしを長くすれば長くするほど飛距離が出るというものではありません。
キャスティング時にルアーに遠心力をうまく与える
これは2番目のポイントである「体全体を使って投げる(遠心力を利用する)」に関係するので次の節で説明します。
「体全体を使って投げる(メタルジグの遠心力を利用する)」
このポイントについては、キャスティングの動作に沿って説明していきます。ここでは初登場となる釣りロボの「ブラックス」に実演してもらいながら説明しましょう。
では、ロッドをテイクバックするところから説明しましょう。
まず、ロッドを持つ利き腕の肘を下げないように気をつけてテイクバックします。テイクバック時は後方に障害物や人などが通らないかを確認するために後ろを見ましょう。
そしてキャスティングに向けて顔を前に向けます。それからキャスティングの動作に移ります。
ここで重要なポイントは、ペンデュラムキャストでは図のようにルアーを振り子のように後方へ移動させますが、丁度振り子であるルアーが止まるタイミングでキャスティング動作を開始しましょう。このタイミングは慣れるしかありません。このタイミング付近で投げないとロッドにルアーの重さがのりません。
ここで飛距離を伸ばすポイントは、ルアーに遠心力を与えてロッドを曲げることです。その遠心力を上手に発生させるポイントは3つあります。
- 体の軸を中心に肩を回転させる
- 腕を前方に力強く伸ばす
- 手首の軸を中心に手を回転させる
つまり、体全体での動きで、ルアーに遠心力を働かせロッドを曲げ、ルアーの初速を早めるということです。では順番に説明して行きましょう。
体の軸を中心に肩を回転させる
テイクバック時に体の軸を中心に腰を肩と共に後ろ側へひねります。そしてテイクバック後、図のようにキャスティング動作開始時に体の中心を軸にして腰をひねり戻し、それとともに肩を回します。

腕を前方に力強く伸ばす
上記動作とともにFig.2のように腕を前側に力強く押し出します。

手首の軸を中心に手を回転させる
ラインのリリース直前に手首を軸にして手をキャスティング方向に回します。リリースタイミングはこの時です。

この一連の流れを行うことで遠心力をうまく発生させ、利用することができます。
体の重心移動
もう一つは体の重心位置です。ボールを投げる時もそうですが、キャスティングのタイミングに合わせて体の後ろから前に腕の位置に合わせて重心を移動させましょう。(Fig.2参照)
最後にラインをリリースするタイミングです。これも飛距離に関係する重要なポイントなので次の節で説明します。
ラインを的確なタイミングでリリースする
最後はルアーをベストなタイミングでリリースしなければなりません。リリースするポイントは頭上より多少前側です。こればかりは練習あるのみですが、シーバスルアーフィッシングをやっている方ならわかると思いますが、基本的にリリースポイントは頭上より少し前側だと思います。野球のピッチャーもそうですが、頭より若干前側に来たときに腕(ロッド)のスピードが最大になります。このリリースポイントは守ってください。そのリリースポイントは垂らし長さと関係してくるのでキャスト角度が合わない場合は垂らし長さを最適なキャスト角度(40度前後)になるように調節してください。ただし、風の向きによって最適なキャスト角度は変わります。一般的には追い風の場合にはキャスト角度を上げて風に乗せて飛距離を稼ぎますが、向かい風の場合にはキャスト角度を下げて空気抵抗をなるべく受ける時間を短くするためにキャストします。
またルアースピードについては、キャスティング動作に移行し始めの段階から勢いをつけて頑張ってルアーのスピードを上げても飛距離は延びません。みなさん経験があると思います。徐々にスピードをあげてリリースするタイミングでルアースピードを最大にするようにキャスティングを行います。
まとめると、徐々にキャストスピードを上げてリリースポイント(頭上より多少前側)で最大速度になるようにキャストするということです。
以上がメタルジグの飛距離を100m以上だすことが可能なキャスト方法です。飛距離を出すコツは頭で覚えるよりも体で覚えることです。ロッドを持って実践あるのみです。
まとめ
最後にSTEP9をまとめます。
- タックルについて
- ロッドは10フィート前後
- リールはPE3号が300m巻けるもの
- メタルジグの重さは潮流や対象魚、水深にあったものを選ぶ
- キャスティング方法
- ロッドを曲げる(ロッドの弾性エネルギーを利用するor発生させる)
1. ロッドにあった重さのメタルジグを使用する
2. バッドに張りがあるものにする
3. ルアーの垂らしを長くする(目安は第一ガイドより若干上)
4. キャスティング時にルアーに遠心力をうまく与える - 体全体を使って投げる(遠心力を利用する)
1. 体の軸を中心に肩を回転させる
2. 腕を前方に力強く伸ばす
3. 手首の軸を中心に手を回転させる - ラインを的確なタイミングでリリースする(ロッドの弾性エネルギーを上手く運動エネルギーに変換する)
徐々にキャストスピードを上げてリリースポイント(頭上より多少前側)で最大速度になるようにキャストする
次回は、ショアジギング最後のステップとなる「魚を美味しく食べるための魚の締め方」です。ショアジギングシリーズもとうとう最後のステップです。
またキャスティング理論編についても別途まとめていきたいと思います。特にペンデュラムは本当に振り子の力を利用しているのか?という点です。
私が実際にショアジギングで使用しているタックルを掲載しておきます。
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